【院長だより】オーバーシュートのはなし

中国武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症は世界各国に文字通りあっという間に広がり、わが国でもオーバーシュート(感染者の爆発的増加)がいつでも起こりうる状態となっています。

世界各国の感染者数に対する死亡率は1%以下の国から10%に届きそうな国まであり、わが国は2.5%(3月29日現在)となっています。オーバーシュートが起こると医療崩壊を生じ、重症患者の治療が手薄になることから死亡率が一気に上昇します。

オーバーシュートを防ぐためには、まず自分が感染しないこと、そして人に感染させないことにつきます。前回も書きましたが、私たちが今なすべきことは、まず感染予防対策として手洗いやマスクの着用を徹底し、不要不急な外出を控えることです。

もし感染が疑われた場合にも、風邪症状が軽ければ過剰に恐れず自宅で安静療養していれば多くの場合治ります。発熱が数日続き息苦しいなど肺炎を疑わせる症状を認めたら、相談センターやかかりつけ医に電話で相談した上で受診しましょう。高齢者や持病のある人はとくに注意が必要です。

オーバーシュートを起こさないように、そして医療崩壊を起こさないように、一人ひとりの冷静な対応が今求められています。

 

新型コロナ感染症が一日も早く終息しますように