【院長だより】光栄なはなし(パート2)

前に、日刊ゲンダイに連載中の五木寛之氏のコラムに私の句を取り上げていただいたことがありました。
今度は同氏の「遊行期」(朝日新書)という近著に取り上げていただきました。

「食事中人間だけが談笑す(久喜 宮本佳則)
 人間と他の動物を区別する事柄はたくさんあるでしょうが、この川柳を目にして、私がすぐ思いついたのは葬礼、死者を弔う行為。しかし調べてみると、チンパンジーにもそういう習性があるらしい。
 食事をしながら話をする。あるいは話をしながら食事をするのは人間だけ。言われてみるとなるほどで、なかなか鋭いところをついている句だと感心しました。
 確かに、たとえば犬とか猫の親子に餌をいっぺんに与えると、とにかく各々がガツガツ食べている。ぜんぜん相手のことを考えず、押しのけるようにして黙々と食べるだけです。
 人間の場合、『今度、一緒に食事でもしませんか』と誘うのは、基本的には『ちょっとお話をしましょうよ』という意味なんですね。犬猫のようにモノを食べるだけにはなりません。
 飲食しつつ会話するというのは、人間と他の動物との区別の一つであると同時に、すごく大事な行動だと思います。」

光栄な話パート2でした。